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とた日記


2010-04-28(水) 大雨のち曇 安静時心拍数 65 [長年日記]

_ サブプライム後の新資産運用―10年後に幸せになる新金融リテラシーの実践(中原 圭介)

国際分散投資の長期運用の弱点を指摘しています。

何も考えずにすすめられた投資信託を買ったまま放置していたら今回のサブプライムローン問題で大変なことになった。だから「捉利」を実践しようという。しかし、結局のところ、言いたいことは相場ローテーションを読んでお金を増やそうのパクリに近いのではないかと思います。違う点は外貨預金をポートフォリオに含めるということでした。

私は外貨預金には賛成できません。手数料が高い、急激な為替変動に対応しづらい、円高局面では塩漬けもしくは為替差損覚悟で引き出すしか方法がないというデメリットが考えられます。FXでは指値・逆指値が使えますし、レバレッジ1倍で運用すれば外貨預金とあまり変わらないでしょう。強いて言うと、スワップポイントが日毎に精算されるので複利効果が得られないということでしょうか。外貨定期預金にしても為替変動に対応できるように満期が数か月のものを契約してしまうと、税の繰り延べ効果が得られずに結局のところFXでの運用と変わりはないでしょう。また、景気後退局面では円高になる傾向があるため、外貨建て資産のリスクヘッジとしての外貨売りポジションを持つこともできますし。買いポジションしか頭にないと柔軟な運用ができなくなります。あと、「外貨預金はユーロを中心に複数の外貨をバランスよく組み合わせる」とありますが、結果としてギリシャ国債の3段階の格下げをはじめとしてスペイン、ポルトガルも相次いで格下げとなり、ユーロは円に対して弱くなっています。著書のなかでのモデルポートフォリオを鵜呑みにしていたら痛い目にあっているでしょう。他人の予想など全く当てにならないのです。

サブプライム後の新資産運用―10年後に幸せになる新金融リテラシーの実践
中原 圭介
フォレスト出版
¥ 1,575