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とた日記


2008-10-09(木) 晴 安静時心拍数 58 [長年日記]

_ 株式とノーベル賞

統計の勉強会でテキストとなった 統計学入門 (基礎統計学)(東京大学教養学部統計学教室)を読み進めていたところ、タイムリーなコラムを発見しました。長いですが、引用します。

p.114
 ◆株式とノーベル賞◆
 ハリー・マルコヴィッツ(Harry Markowitz)に1990年のノーベル経済学
賞が与えられたとき、「株屋さん」にもノーベル賞が出る時代になったかと、
保守的な大学人は嘆いたものである。マルコヴィッツ自身は学者であるが、
当の株屋さんも経営近代化をはかって証券会社に脱皮した今、株式など有価
証券の分析に、平均、分散、標準偏差、相関係数が駆使されているのだから、
時代も変わったものである。
 マルコヴィッツが1952年に立てた基本的考え方は二つに要約される。
 (a) 収益率の平均は大きいほど望ましい(収益性)
 (b) 収益率の標準偏差は小さいほど望ましい(安定性)
当り前のことのようだが、難しいのは(a)(b)を同時に実現することである。
このために、マルコヴィッツは投資資産をいくつにも分割して個別に投資し
(分散投資といわれる)、互いの部分が変動をプラス、マイナスで吸収しあう
ようにもってゆけば、(b)の標準偏差の極小化がぎりぎりまで実現できると
考えたのである。統計用語でいえば、互いの部分の相関係数が低くなるよう
に、株式銘柄を選ぶのである。
 マルコヴィッツは、「卵をすべて一つのバスケットに入れるのは危険であ
る。頭の良い人は、これを分けて入れるものだ」と述べた。投資を分散した
ものをポートフォリオportfolioというが、不確実性の時代に、このリス
ク管理法は、一つの常識といえよう。なお、ポートフォリオとは、「折りか
ばん」の意味であり、転じて有価証券の組み合わせの束を指すものである。

年金では心許無いと、老後の生活資金をグローバルソブリンに全力投資してしまっている方々がいらっしゃるということを経済番組で見たような気がしますが、これはかなり危険ですねえ。投資先を分散させることと、投資する時間を分散させることの重要性はお金は銀行に預けるなでも書かれていました。リスクとリターンをよく勘案して適切な運用を心掛けたいものです。

_ tDiary 2.3.1リリース予告

なんと。FreeBSDのportsも更新したいのですが、少し遅れるかもしれません。