2007-12-26(水) 晴 安静時心拍数 56 [長年日記]
_ ねばちっこい経営 粘り強い「人と組織」をつくる技術(遠藤 功)
見える化-強い企業をつくる「見える」仕組みの続編のような位置づけとなっているようだ。本書のタイトルにある「ねばちっこい」は茨城の方言で、「粘り強い」「ねばっこい」という意味だそうだ。「ねばちっこい経営」とは、茨城県にあるタカノフーズ株式会社の高野英一社長が標榜する経営思想だそうだ。
本書は前作にも増して事例だらけの印象がある。序章の出だしからして事例15連発だ。これは勘弁して欲しい。言いたいこと、強調したいことは分かるのだが、結局は事例や名言を接続詞でつないだだけのまとめ本で終わってしまっている。
そもそも本のタイトルからして他人の標榜を引用しただけである。事例、引用をつなぎ合わせただけでよくここまで書いたなという気がした。筆者も「おわりに」でそのような点に少し触れているが、これではあまりにも酷すぎるのではなかろうか。3部作の最初の本は事例や引用が程々だったので興味深く読むことができたが、この本にいたっては事例、引用が海となっていて、筆者の意見、見解、思考が小島のように浮いているだけだ。飽きがきた。感想も何もない。残念。
ねばちっこい経営 粘り強い「人と組織」をつくる技術
東洋経済新報社
¥ 1,680